追われるように感覚を埋める人 その1 ゴミ屋敷の片付け相談 in 大阪市北区

使いきれないモノを不用品とせず何故もったいないと考えるのか?

モノへの強烈な執着心はどこから来るのか?

兄弟・姉妹だからといって、片付けられないは遺伝するとか思っていませんか?

「恥ずかしい話ですが、身内であるAさん宅(ゴミ屋敷化)の件でどうしていいものやら・・・」

 

モノで溢れ荒んだ室内を見かねた弟さんは、これまで何度か実際に片付けに加わり環境改善を図ったのですが、一向に出口が見えないトンネルの中に居るようで限界を感じたとの事。

北区内の某マンションでAさんは、元々高齢のお母さまと同居されていたそうなのですが、その後広い3LDKに一人住まいには贅沢すぎる間取り。

本来ならば空間的にも十二分に余裕があるはずなのですが、その内ひと部屋は完全にモノで埋まってしまっている状態。

幸いそれ以外の部屋は、床が見え隠れする程度と比較的軽微ですが、実はこれもコンサルに伺うまでに時間をかけて片付けを進めて行った末の景色だそう。

 

モノはそこに住まう人の特徴を表す重要な手がかりとくれるアイテムです。

紐解いていく事でヒントとなる情報が顔を出します。

何がどこにあるのかグチャグチャの状態だった部屋も、一つ一つ根気よく整理を進めていくと・・・

  • 灰皿にてんこ盛りになった吸殻
  • 気になる記事を、(いつか)スクラップする予定で取り置いた山の様な新聞
  • (いつか)スクラップ予定のチラシ、広告類
  • ジャンクフードのテイクアウト包装紙
  • これまで旅した切符(記念発行モノ含む)
  • 何枚も重複するアキバ系アイドルCD(推しメン、握手券など?)
  • ラベルデザインが気に入った為、(いつか)画像データで記録予定の、空の缶・ペットボトル容器
  • ラベルデザインが気に入った為、(いつか)画像データで記録予定の、タバコの空箱
  • 洗濯未・済が入り混じった衣類の山
  • ビデオデッキからDVDプレイヤーまで、歴代の映像・音声記録メディアや古い家電類
  • アトピーなど山の様な処方薬
  • 亡き母上の持ち物

などに大きく分別する事が出来ました。

その間処分したモノは20袋くらいでしょうか?

(※ごめんなさい、今回、本案件に関する現場の画像は差し控えとなります)

 

ここからあなたはAさんがどの様な方であると連想しましたか?

いつもの流れとは逆になりますが、興味深いエピソードなのでご紹介します。

これがAさんとの衝撃的な出会いでした。

 

左右の耳で別々のラジオ番組を聞く人の心理って?!

何もかもが勿体ない...時間すら何とか効率よく使いたい

ご本人の意向を無視して、一般的な目線で ”不要物” ”ゴミ” と断定出来るなら、どれほど早くスッキリと片付ける事が出来るでしょう。

でもこれまでご家族がそれを行う事で、何一つ解決しなかったのです。

心配してくれる身内が居てくれるのは本当に幸せな事。

でも悲しいけれど心は 【より守りを固める】 方向へと頑なに傾いていってしまうのですね。

そんな張本人の気持ちや考えを伺うべく対面した時、これまでになかったケースに正直驚きました。

 

気になっていたのは話をしながらも、常に両耳にかかっていたイヤホン。

てっきり両耳で聞くタイプのイヤホンで、会話中はオフになっているとばかり思っていました。

しかし現実は、

  • 右のイヤホンは単独でとあるラジオ番組に繋がり、聴取中
  • 左のイヤホンは単独で右とは異なるラジオ番組に繋がり、聴取中
  • 私と弟さんと会話中

そう3元同時中継絶賛実施中!!だったのです。

 

弟さんもいい加減

「聞く気があるのか!」

「失礼だろ」

と叱っていらっしゃいました。

同じ立場なら僕もそうしてしまうことでしょう。

 

でもその時僕は、そんな事はよりも

”Aさん、今この瞬間、何を逃す事に対してどんな恐怖を抱いているのだろうか?”

そして

”本当に僕たちの会話が伝わっているのだろうか?”

という事が気になって仕方がなかったのです。

 

酷いアトピーを抱えるAさんは四六時中皮膚をかきむしり、肌は荒れ、剥がれた皮膚片が部屋に散乱。

換気も満足にされない部屋には、埃やゴミが溜まり不衛生な状態で、Aさんの病状にとっても非常に宜しくない環境です。

もしも部屋がキレイになれば、症状は必ず快方へと向かうのでしょうが、間違いなくAさんの関心は自分自身よりも ”モノ” に向かっているのです。

そんな光景が少し悲しく映りました。

 

あなたの知らないあなたと向き合える? 知覚を超えて届き得るもの

あなたは本当の自分を知っていますか?

かの聖徳太子の有名すぎる逸話として、”10人の人の話を同時に聞けた” とありますが、神格化する為に【話を盛った】というのが大筋の見方です。

要はそれほどに聡明であったのを伝えたかったという事で、実際にはかなり無理のある設定ですよね~。

 

同時通訳とかこれも大変なお仕事ではありますけれど、シーンを切り取れば常に通訳さんを介して、一つの方向で会話がキャッチボールを繰り返す作業ですからねぇ。

 

弟さんの問いかけに対して、Aさんは小声でモゴモゴと言うばかり。

全ての会話を聞き取る事は出来ませんが、まとめるとこんな感じ。

  • 聞きたいラジオ番組が今この瞬間2つあって、どっちも逃がせない
  • 撮りためたビデオ、DVD、書物等々、既に先送りになっているモノがあるので、今消費(消化)できるモノは今のウチに・・
  • 片付けたい気持ちはあるから、コンサルには相談したい

そんな心理から出る行動だそうです。

 

たしかにチャンネルをONにすれば、自動的に音声や映像は流れます。

そしてそれを視覚、聴覚が捕らえます。

 

そもそも人は聞きたいモノを聞き、観たいモノを観ようとします。

耳の機能に絞って言うと、カクテルパーティ効果と呼ばれるものです。

人込みの中、距離に関係なく、興味のある事に焦点を合わせて聞き取るという、非常に優れた機能。

 

でもね、この状態が四六時中だったらどうします?

僕なら静寂が欲しくなります。

本当に集中したい時、他の雑音はシャットアウトしたいと考えます。

でないとただただ情報が垂れ流され、ただただ自分がそこに居る状態になってしまうのではないか?

むしろそれが逆に、本当はものすごく勿体ない事なんじゃないのかと思ってしまうのです。

 

 

 

 

右の耳からは、感動で涙がこぼれそうになる話

 

左の耳からは、お腹がよじれるくらい笑える話

 

そして目の前からは、仲間があなたに直接何かを問いかけている様子

 

 

 

今、あなたの注意は、どこに向けられていますか?

今、あなたの心には、何が届いていますか?

 

 

 

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