
今回は大阪城東部地区、森ノ宮周辺、マンションのワンルームにお住まいのHさんから頂いたゴミ屋敷片付けのご依頼です。
お部屋に足を踏み入れた瞬間、「来たな!」というスイッチが入る、そんな光景が広がっておりました。
足の踏み場もないワンルームの現実
見渡す限り、ゴミや不用品で埋め尽くされたお部屋。膝丈くらいまで積もっており、これはもうお一人でどうにかできるレベルはとっくに超えています。
中身の顔ぶれは、定番不動の面々でした。 もはやレギュラー陣と呼んでいいでしょう、コンビニ弁当にペットボトル、雑誌、衣類、雑貨…。ここまでは、ある意味「あるある」の範囲内です。
問題はその積もり方。一つ一つが大雑把にでもエリア分けされていれば、まだ道は開けます。しかし今回は、まるでミルフィーユのように幾層にも折り重なり、複雑に絡み合ってしまっているタイプ。こうなるともう、一人で紐解くのは至難の業。 そして誰にも言えず、更に悪化していくスパイラルの深い闇…でもそんな時こそ、勇気を出して打ち明けてください。
ワンルームだから大したことないでしょ?
侮ってもらったら困りますわ、旦那…。見た目以上に小物類の層が厚く、一筋縄ではいかないボリュームが潜んでいるものなのです。
小物を笑う者は小物に泣く
日本では当たり前の諺ですので、これだけでも今日、覚えて帰ってください。
水回りの惨状—バスタブ、洗面器、そしてトイレ

キッチンや居室だけでなく、水回りもなかなかの手強さでした。

カピカピになって汚れたバスタブと洗面器には、皮脂などの汚れがこびり付き、すっかり変色してしまっています。トイレも散らかり放題で、こちらは衛生的にはっきりと赤信号が点いてしまっている状態でした。
見落としがちな地獄のリサイクル機 エアコンを侮るな!

そして今回、私たちが特に注目したのがエアコンです。このお部屋で6年以上、一度も分解洗浄されていないエアコンのフィルター。
平均的なお部屋ならそれでも別に構いません。でも違うでしょ?
室内に漂う汚物、食べかけで腐った何かが放つニオイ、カビやホコリを伴った空気を、来る日も来る日も吸い込み続けてきたわけです。しかも窓を閉め切ったお部屋ですから、その空気はどこにも逃げ場がなく、ただひたすら室内をぐるぐる循環するだけ。 何年も繰り返し繰り返し、睡眠中も休まず、汚れた空気の肺に入れ続ける生活環境だったのです。
正直に申し上げます。特殊清掃でここを変えていかないと、本当に体を壊しかねません。汚部屋状態のままエアコンを使い続けるというのは、生ごみ混じりのゴミ箱に、ストローを突っ込んでちゅーちゅーし続けるようなもの。決して笑い事じゃないですが、本当によくあるパターンなんです。部屋の散かりにばかり目が奪われて盲点になってしまう点に要注意! 今回は手の届かない内部の洗浄まで含めて、Hさんも強くご希望されていました。
MAX片付け、本番スタート

作業当日、Hさんは立ち会うことができなかったため、事前にお預かりしていた「要る物リスト」のメモを片手に、書籍や衣類ほか必要なものを一つひとつ袋詰めし、お部屋の隅にまとめていきました。
ゴミの山に紛れ込んだ大切なものを見分けながらの作業は、想像以上に神経を使う、なかなか負荷の高い工程です。しかも「捨てない」と決めたモノの量も決して少なくないため、それらをそのまま部屋に戻してしまうと、せっかくきれいになった空間もどうしても雑然と映ってしまいます。
本当に必要なモノかどうかなんて、結局本人にしか分からない。結局は覚悟の問題なのですが…。 この仕事をしていると、人は煩悩の数だけ…いや無限に煩悩が湧いてきて、その煩悩自体に囚われているなぁと感じる事があります。極端に言えば、要不要のフィルター条件を【これがないと1か月先は生きていけないモノ(推しなど精神面を除外)】縛りにしてみると、部屋の雰囲気はガラリと変わるでしょう?

さて少し横道にそれましたので、軌道修正しましょう。
地道な作業の末、長い間モノに覆われていた床がようやく顔を出し、締め切られていたカーテンと窓を開けて、新鮮な空気をお部屋に取り込めるようになったこと。この瞬間の尊さは、ぜひ知っていただきたい、本当は一緒に参加して実感して頂きたいと思います。
ここから先は、Hさんご自身が少しずつ整えていかれる段階です。当社の目安としては、最低でもあと追加でゴミ袋5袋分くらいは排出されると、より快適に過ごせる空間になるかと存じます。
特殊清掃で、水回りがピカピカに

一方、水回り問題であったトイレは、特殊清掃によってこの通りピカピカに生まれ変わりました。バスタブについても、変色してしまっている部分は残るものの、衛生面ではググッと大きく改善しています。

恐怖のエアコン内部、そして出てきた「タール」

埃と黒カビだらけだったエアコンも、全体を覆っていたとんでもない量のホコリと汚れを徹底除去し、中身もすっきり丸見えに。送風口にこびり付いていたカビも、すべてきれいさっぱり消え去りました。今はもう、清潔な空気だけが送り出されています。

ただ、どれだけ汚れていたのかは、洗浄後に出てきた汚水がすべてを物語っていました。もはや汚水というより、タールのような状態。ここまで真っ黒になるケースは、私たちもなかなかお目にかかりません。そしてなにより—Hさんは、この空気を毎日ちゅーちゅー吸いながら生活されていたということになります。決して他人事ではない話です。
蘇った空気、蘇った暮らし
お部屋からも、嫌なニオイや病原菌をまき散らしていた元凶はしっかり除去されました。今では胸を張って「健康な部屋」と呼べるレベルです。どうぞご安心ください。
汚部屋状態が長引くと、モノの片付けだけでなく、エアコンという「見えない場所」にも静かに負担がかかっていくものです。今回のケースは、その怖さと、健康的な生活環境の手を入れる事の大切さを、改めて実感させてくれる現場でした。
これからはこれまでのスタイルに戻らないよう気をつけながらも、Hさんには日々の暮らしを楽しんでいただきたいと願っております。
