汚部屋・ゴミ屋敷修行しても仙人にはなれん 片付けで流れ変えようよ
片付けられない人の問題となるとつい汚部屋・ゴミ屋敷に結び付けていきがちですが、ここ大阪エリアで寄せられるお悩み、片付け作業のご依頼・ご相談を振り返ってみると、単純に割り切れない実情が浮き彫りとなります。
ゴミ屋敷と汚部屋、モノ屋敷・部屋の違いについては過去数回に触れてきておりますが、個人的にもめっちゃ重要視しているので、コレ繰り返し皆さんと共有行きたいと思います。
さて、文頭でご覧頂いている画像ですが、これは東大阪市内某所にて“片付け虎の穴”でご相談頂いた過去案件の一例。
2階建てのゆったり5LDKという間取りのお宅。
1階はキッチンやリビング等ご家族の共有スペースで、2階は個室やクローゼットという使い分けが前提…となっていたのですが、1階は人ひとりが通れる幅が残された”けもの道”が縫うように、2階は全室ご覧の様な床面ビッシリと物が拡がる状況でした。
玄関からどこへ移動するにも、横たわる(または積みあがる)物を避けながら進んでいかなくてはなりません。
とにかく視界すべてにいつも沢山の物が入っている為、気持ちが安らぐ事は皆無なのです。
この様な環境下でも「捨てる物など一切ありません」というのが、この家で最も滞在時間の長い奥さまでした。
その物の内訳を見てみると洋服・食器・調理器具・生活家電・書籍・楽器等々、新品未使用のまま箱の中に長年眠る物、少し使ってみて放置されている物、100均で難なく入手できる物がとてつもないボリュームに膨らんでしまった結果のゴミ屋敷(モノ屋敷)。
そしてここでもゴミ屋敷あるある。
この状況を心配して相談されるのはご本人ではなく、その夫や妻、子供というのがほぼほぼ相場になっています。
「いつかは使いたい、使うかも知れない、きっと使うだろう…使う時…」
- 使わない
- 使おう
- 使います
- 使う
- 使う時
- 使えば
- 使え
使うか~~~~い!! もう一生使うか~~~~い!!
そこにあった事すら忘れとったやろぉ?!
こんな一人五段階活用の沼にハマっているそこのアナタ、まず手元の物から五段階活用ですよ。
この最大の問題は、ゴミ屋敷・汚部屋環境での生活が日常化してしまった事に尽きます。
当人がその異常事態を感知出来ない状態なんです。
だってスッキリ片付いた空間で長らく暮らしていないので、その感覚が保てる訳がない。
だから一足飛びに片付けろだ、やれ捨てろだと言われたところで、心がまず拒絶しますしてしまいます。
タイトルに戻りますが、ゴミ屋敷・汚部屋での修行生活の果てに近所で迷惑がられる名物・有名人になったとて、仙人には絶対になり得ません。
だからこそ再び必要最低限の時間をかけつつ、経験・実体験を通して感情・感覚に訴えかけていくのが重要なんですよね。
手放せない、捨てられない事でゴミ屋敷・汚部屋堕ちする犠牲がデカすぎる
さてさて上のゴミ屋敷画像、冒頭のものと比べてどうお感じでしょうか?
画像だからニオイや感触は伝わりません、が、違いが確実に見て取れるでしょう?
ゴミ屋敷も汚部屋も一緒、要はその規模の違い..そりゃそうなんですが衛生面で判別する必要は確実にありますよ!
これがダメ、ヤバイ真正ゴミ屋敷・汚部屋の特徴
- 液体・固形の飲食物が出たまま廃棄されずに放置
- ペットの排泄物が床に転がっている
- 悪臭がしている
- カビが生えている
- 気持ち悪い虫が湧いている
この辺りに該当している様なら、タダでさえ大変な片付けがより煩雑になります。
床に放置された段ボール箱や衣類は何かが腐った液体でベトベト、異様な臭気を発し
酷いケースでは物を片付けるだけではなく、特殊清掃を入れないと何ひとつ改善致しません。
そこへいくといわゆるモノ屋敷・モノ部屋は片付け効果がメキメキ出まくりますので、作業自体がどんどん楽しくなるというポジティブループも生まれます。
美部屋への道は遠くない?! モノ屋敷はちょっと残念なゴミ屋敷・汚部屋亜種
実は当社に寄せられる”片付けられない相談”の大半はこのモノ系のゴミ屋敷・汚部屋に分類されます。
厳密に言えばひしめく物のせいで、頻繁に掃除機がかけられない等の問題はもちろん孕んでいるのですが、健康被害に直面する程の劣悪な住環境には至っていないレベル。
但しこの状態を続けていると、いずれ本当のキャパオーバーを向かえてしまうリスクがあります。
引き金になるのは、
- 物を捨てられない
- 物を買いたい気持ちを抑えられない
- 更にシリーズ物を買うと、揃えずにはいられない
- 多趣味(というか衝動的に始めたくなる)
- 飽き性(というか続かない)
とこういった執着心が物を呼び寄せ溜め込み、ゴミ屋敷・汚部屋化へ進行していきます。
一般的な片付けられない方もそうですが、ADD、ADHDという注意欠如・多動性を伴う障害を持つ方々は更にハマる傾向が見られます。
共通するのは、こういったゴミ屋敷・汚部屋状態を一人で何とか片付け改善しようとしても、作業自体の持続が難しかったり、即リバウンド→挫折というコースを辿るケースが非常に多いのです。
部屋づくり初期の段階で掛け違えてしまったボタンは、簡単に帳尻合わせさせてはくれませんし、視界がモノで埋め尽くされた景色の中、脳を片付ける方向へ働かせる事はプロにとっても決して簡単な作業ではないのです。
ともすれば片付けは非常に単純で、頭を使わずに出来る事という考えを持つ方もいらっしゃいますが、トンデモない程レベルの高い働き・負荷を脳にかけているのをこれを機会に知って頂きたいと思います。
習慣を変える、それも短時間で
限られた空間・ボリュームなら単発の”コンサル片付け”で改善も可能でしょう。
でも、もしも住まい全体の片付かない問題を根本から解消したいなら、”片付け虎の穴”等、それに見合う機会を設ける必要があります。
日々を追うごとに、着実に室内が片付き、変わっていく
それまでどうしようもなかったゴミ屋敷・汚部屋の環境改善が進む中での暮らしを通し、一番肝となる、あなた自身の心に直接変化が生じてくるのを実感される事でしょう。