
「掃除も片付けもできなくて…モノや不用品だらけの汚部屋を、一緒に片付けて“改造”するなんてこと、可能ですか?」
「改造、ですか…?」
東大阪市内にお住まいのHさんから、そんな長文のご相談メールをいただいたのは、ある日のことでした。現状は床がまったく見えない6畳間。生活スペースと呼べる場所は、シングルベッドの上のごくわずかな一角のみ。今回はそんなHさんが、汚部屋生活から美部屋への道のりを歩んだ、リアルな片付け事例をご紹介します。
たったひと部屋の片付けが、生活のすべてを変える
汚部屋の中のモノたちが、心をへし折っていく
まともに横になることもできず、当然、掃除機をかけるスキマなんてどこにもない。ただの物置きと化した不用な大型家具に囲まれ、いろんなモノが積み上がり、床という床が埋め尽くされている。360度、圧迫感しかないその部屋で、Hさんは10年以上もの間、生活を続けてこられました。
本当はリアルな画像でお部屋の様子をお伝えしたいところですが、万が一にも身バレしてしまうことを恐れるHさんのご希望で、今回は文章のみでお伝えします(本記事の画像はすべてイメージです)。とはいえ、できる限り状況を想像していただけるよう、具体的にお部屋にあったものを挙げてみますね。
【6畳間にあったもの】
- 学習机(イスとセット)×2
- タンス(大)×1
- ベッド(大)
- 3段引き出し(中)×1
- 天井にネジ等で固定された収納×2(小)
- 本棚×1(小)
- 家電品(テレビ・ステレオ・ゲーム機など)
- 書籍(参考書・小説・マンガ)大量
- 趣味のモノ(多岐にわたり…)大量
限られたスペースにこれだけのモノがあるため、窓も一部が塞がれてしまい、部屋全体がどんより。光も風も不十分で、とても健康的とはいえない空間になっていました。
片付け作業を妨げる最大の曲者は、書籍と趣味のモノたち。特に編み物がお好きなHさんが集めていた毛糸、そして電気コードやヒモの類が、他のモノと複雑に絡み合っていて、一つひとつ丁寧に片付けようとしても、なかなか引き剥がせません。
正直、めちゃくちゃ面倒なのですが、結局のところ、ハサミでちょきちょき切りながら進めるのが一番効率的だったりするんですよね。この作業だけでも相当なストレスがかかりますから、汚部屋にお住まいの方の心なんて、簡単にポキッと折れてしまいます。
そんなモノたちが、低いところでくるぶし、高いところだとスネくらいの高さまで積み上がっていて、作業そのものを困難にしていました。人はこうして、自力での汚部屋・ゴミ屋敷脱出をあきらめていくのだと、あらためて実感させられます。
さらに厄介だったのは、「捨てて良い」と判断できるモノが圧倒的に少なかったこと。もしこれがワンルーム住まいのケースだったら、正直、その時点でゲームオーバーです。似たケースがまったくないわけではありませんが、その場合は一旦すべてのモノを屋外に出す…という、時間も人手も費用もかさみ、ご近所の目にも触れてしまうやり方一択になっていたはずです。
幸い、Hさんは部屋数に余裕のあるご実家住まい。モノの分別整理を兼ねながら、あまり使っていない部屋へと運び出していきました(それでも相当な作業量になるのですが…)。これは、通常の不用品回収業者さんでは絶対に対応してくれない、コンサル片付けならではのやり方です。
お客様と二人三脚で片付けを進めること自体は、私たちにとって決して珍しい光景ではありません。ただ今回は、最初からそれだけでは終わらなかったんです。
ご相談メールの内容が、想像以上に具体的だった話

今回のご相談が、いつもと大きく違っていたのは、その【具体的な内容】でした。まだご依頼をいただく前の、いわゆるファーストコンタクトの段階。ご相談者さんの多くは、おっかなびっくりといった様子で、次のような内容に触れられることがほとんどです。
- 当社の片付けサービスを知ったきっかけ
- 部屋を片付けられない現状と、その悩み
- 汚部屋やゴミ屋敷をきれいにできるかどうか(日数や費用も含め)
Hさんも、もちろんこうした内容には触れられていました。ですがそれ以上に踏み込んで、間取りのこと、そして片付けた後に欲しい収納家具について、複数の商品URLを添付しながら、事細かにお問合せいただいたんです。
シンプルな内容であれば通常のメールでご対応させていただくのですが、お部屋の間取りや商品の寸法・重量まで踏み込んだご質問となると、正直、長時間のシミュレーションが必要になります。しかも一度もお邪魔したことのない空間についてとなると、なおさらリスクがあります。ここはもう、コンサル片付けの領域だとご理解いただきました。
片付けた後の収納家具まで、完成イメージを膨らませていただくこと自体はとても良いことです。ただ、最初に取り組むべき手順は、あくまで「要る・要らない」の判断(今回でいえば分別・整理・移動)です。
初日は、コンサル片付けで足元を埋め尽くすモノへの対応を進めながら、同時に間取りの把握と、個別の収納家具が設置できるかどうかの確認も進めていきます。その際、絶対に外せないポイントがあります。それが【移動・運搬経路が確保されているかどうか】です。
案の定、Hさんのお部屋へ向かうには、らせん状の階段を通る必要があり、しかもその階段の上にまで様々なモノが放置されている状態でした。はい、これ、本当に「あるある」なんです。
軽くて小さなモノの運搬であればまだ良いのですが、重量物や大きなモノとなると、視界が確保できない上に足の置き場も制限されるため、事故やケガのリスクが一気に高まります。さらに言えば、作業時間(=費用)の効率にも直結しますから、階段の片付けは必須の工程になります。
汚部屋やゴミ屋敷にお住まいの方は、ほぼ100%この状態に当てはまります。ただ、日々の生活としてそれが当たり前になってしまっているため、なかなかご自身では気づきにくい、とても重要なポイントなんです。
片付けた後の生活においても、階段にモノを置くのは、絶対にやってはいけない悪手のひとつ。ご高齢の方と同居されているご家庭では、骨折や入院といった深刻なトラブルにつながる原因にもなります。少しでも心当たりのある方は、ご自身のお部屋のことは一旦置いておいて、すぐにでも撤去することをおすすめします。
汚部屋生活からの脱却、美部屋への道のりはほぼプチリフォーム!?

ご相談の段階から、熱量がとにかくすごかったHさん。実際の美部屋化へのステップは、こんな流れで進みました。
- 作業床面の確保
- モノの分別整理・一時移動
- 不用家具の撤去・回収
- 掃除、片付け
- フローリングタイルのカット・貼付
- 家具(棚・タンス・ベッド・PCデスクなど)の組立・設置
- モノの再移動・収納
ここまでやれば、お部屋は間違いなく別物に生まれ変わります。Hさんご自身は「これでOKなんです」とおっしゃっていましたが、実は一点だけ、私が引っかかったポイントがありました。それが、フローリングタイルの設置です。
古くなってヘタってしまった畳の上に、そのままフローリングタイルを直接張り付けてしまうと、どうしても波打ちや歪みが出てしまいます。より精度を上げるのであれば、下地にコンパネを敷いてから接着するなど、平滑な床に整えることをおすすめしています。
とはいえ、そこまでやるとなると、もう立派な「本気リフォーム」ですけどね(笑)。
そんなわけで、今回の東大阪市での汚部屋片付けは、ビフォーアフターでいえば、まさに【地獄から天国】と呼べるような変化になりました。画像でお見せできないのが、本当に残念です。
もしあなたが今、Hさんのように「誰かに部屋を見せるのが怖い」「片付けたいけど、どこから手をつけていいかわからない」と感じているなら、どうか一人で抱え込まないでください。私たちは、そんな「もう無理かもしれない」という状態からのご相談こそ、たくさんお受けしてきました。まずは今の状況を、ありのままお聞かせいただくところから始めましょう。
