不用品処分や部屋の片付けに関して、当社へ寄せられるご相談の2大タイプについて述べましたが、ふたつ目の “モノが手放せない=他人にとってはどうでもいい様なモノでも、捨てる事にためらいを強く感じてしまう” タイプの場合はどの様に進めていくのかという点について、少々書いてみたいと思います。
これはあるご相談者様のケース。
ご本人のご意向もございますので現場写真は割愛させて頂きますが、いわゆる床も見えない、足の踏み場もない、ごみに埋め尽くされたゴミ屋敷とは少し異なります。
床面はきれいで・・いや、むしろ小綺麗に保たれております。 でも、ただただモノが多い・・・。
ご両親と3人で生活されていたのですが、お父様はすでに亡くなり、趣味であった古美術や骨董品等の芸術品で山積みで遺され、1部屋が丸々占拠している状況。
一方、ご入院中のお母様は膨大な書籍、健康・スピリチュアル関連のモノでこちらはおよそ2部屋が埋まっております。
そして娘さん。
直接のクライアントとなりますが、日々の会社勤めに週末の病院へのお見舞いなど、非常にご多忙な生活をおくっていらっしゃいます。
そんなご両親の元で育った彼女は、やはりモノへの執着が色濃く、捨てる事に対する心理的なハードルが非常に高く、彼女自身もそれを深く認識しているものの、もはや一人ではどうにも出来ないと悩みを抱えていらっしゃいます。
それでも、「この家の、この部屋のモノが山積みにされた環境を変えなくては!!」 という思いに駆られ、弊社へご相談頂いたのが約1年前。
その後も継続的にコツコツと毎月お宅へ伺っては、少しずつ必要なモノの分別と不要なモノの廃棄・処分を進めていっております。
その中には、友人から頂いたなんでもないモノも含まれ、それらを捨てる事がどうしても出来ない為、二歩進んで一歩後退するような流れにはなる様です。
モノをあげた当人の気持ちになれば、彼女に差し上げた時点でその思いが既に達成されており、決して彼女を苦しめる為にあげたのではないという点が非常にもどかしいところ。
「私は本当は何にも要らないのです。 いっそホテル暮らしの方がどれだけ楽か・・」
というのは彼女の口癖。
それでもモノを手に決断となると、やはりためらわれるのです。
「使えるからって置いておいて、結局使わないってわかってるのに・・ごめんなさい・・」
この様なケースは彼女だけではありません。
作業中には会話を通して(時には世間話も)、分別のヒントとなるキーワードの発見や、彼女の気持ちの変化があったりします。
その状況に応じて少しずつ進めていくと、毎回相当ボリュームのモノが結果として表れるのです。
一喜一憂しながらも、そのモノの山は現実として彼女がやり遂げた結果です。
それを見て、彼女には一定の達成感と共に自信を取り戻して頂き、次回の取り組みへの土台として頂いております。
一歩一歩確実にゴールへ向かって・・。