DV・ストーカー被害?!  スピード片付けと引越し即逃げが正解

ドメスティックバイオレンス それは愛なんかじゃない 荷物まとめて逃げよう

DV(ドメスティック・バイオレンス)という言葉が日本国内で認知されだしたのは、何といっても2001年に施工されたDV防止法(正しくは”配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律”)の存在が大きいです。

それまでは問題視されるケースも、なかなか表面化する機会も少なく、ニュースとして届けられることはありませんでした。

配偶者や交際相手などに向けられるDVには、

  • 殴る・蹴る等の身体的暴力
  • 脅迫・モラルハラスメント等の精神的暴力
  • 経済・性的な面での暴力

など広く含まれます。

この様なDV関連の部屋の片付け・引っ越し相談は、専門の引っ越し業者には頼みにくい(引っ越しする事が簡単に認知される)為、当社への要請が寄せられるのです。

通常のコンサル片付けとは異なり、危険を伴うために非常にデリケートかつ様々な配慮・注意が必要とされる案件です。

そのため打ち合わせはもとより、念入りな事前の確認は不可欠です。

通常は大阪を中心に京都・奈良の一部エリアが対象なのですが、本件に関してはご要望によって圏内を超え、かなり遠方へ伺ったケースもございます。

加害者の不在時に照準を定め、ピンポイントで必要なモノだけを片付けて回収していくという高いリスク案件の一つ。

電話受付時間を過ぎた夜間、1~2歳程度のまだ幼い子を抱える女性から、「夫のDV被害から逃れるための避難を助けて欲しい」の留守録メッセージ。

ハッキリ言って専門外ですが、その切羽詰まったトーンからスルーも出来ず、折り返し連絡し詳細を確認しました。

「埼玉なんですけど・・」

「埼玉? こちら大阪ですけど、ご存知でしょうか?」

「えぇ知ってたんですが、どこに相談していいか分からずサイトを拝見して・・・」

「経費や今後必要に応じたフォローあどを考えると、地元周辺のサービスを頼った方が・・・」

とはお勧めするものの、その反応から少しガッカリされている様子。

【こらぁ”行きなさい”と天から言われているな・・】

更に少し話して、数時間後には高速で一路埼玉県某所へ!

約束の時間・約束の場所から連絡、しばらくの待機要請に従い、数十分。

家の鍵を受け取り、親子は新居へ移動を開始、こちらは現場へ突入。

訪れた部屋、不測の事態に気構え、注意を払いつつ開錠。

誰も居ない事を確認し、事前に指示頂いた各部屋の必要品をひとまとめに回収作業を始めます。

途中、ふすまの所々に、ぽっかり開けられた幾つかの拳大サイズの穴が物語っていました。

何とも表現できない重い雰囲気に包まれた空間。

母子にとってココでの日々の生活…さぞ怖い思いをなさったことでしょう。

反対に新居への荷物移動が完了した時の彼女の笑顔。

改めて安心して過ごせる生活環境の重要さを痛感させられました。

もしもあなたが、あるいは友人・知人がこのような恐怖に日々晒されているのなら、”そこから脱出するために行動を起こしてください。

取り返しのつかない事態に発展してしまう前に、まずは一日も早い相談です!

今回の記事にはこのような問題を抱える方々に対して、少しでもお役立て頂けるような情報を載せていきたいと思います。

DVやストーカーの恐怖から逃れよう 警察は動いてくれるの?

配偶者からのDV

DV防止法の施行以来、保護命令違反の検挙は近年若干の減少が見られるものの、配偶者からの暴力に関連する犯罪検挙数はDV防止法の施行より増加に歯止めがかからない状況が続いています。

※表1:配偶者からの暴力事案等の検挙件数の推移(警察庁)

これらDV示談の内訳を見てみると、加害者となるのは男性が約79%、女性が約21%で、男性にも2割のDV被害者が居るという現状に驚きですね。

年齢別データでは30代、40代、20代…の順で多いという結果となっております。

また加害者との関係で最も多いのが全体の約76%である婚姻関係でした。

検挙される犯罪の種類は多岐に渡り、件数は一桁単位で最も少ない殺人(未遂も含む)をはじめ、中でも数千件単位とずば抜けて多い暴行・傷害が目立っています。

ストーカーの検挙件数

※図2:ストーカー事案の検挙件数の推移(警察庁)

次にストーカーについての状況を見てみると、その内訳は加害者となるのは男性約82%、女性が12%となり、DVと比較して男性率が若干高くなる結果に(残りは性別不明分)。

加害者年齢別データでは30代と40代が同率、続いて20代で多いという順序に、一般的に20代より分別があるとされるはずの年齢層の方が高い事に驚かされますね。

DV加害者との関係では1位が約43%を占める交際相手、2位がほぼ同率で約13%の知人・友人と職場の同僚という結果でした。

接する時間が長い程、ストーカーになりやすいというコトなのでしょうか?

問題となる行為で最も多かったのは ”面会や交際を迫る” もの、続いて ”無言電話・メール”などでした。

DV、ストーカーのいずれの推移も多少の違いはあるものの、右肩上がりで増加傾向にある事がわかります。

しかしこれは見方を変えれば、ひと昔とは異なり社会全体のDVに対する意識の向上や、法整備に伴い警察がその機能を果たしたための成果とも取れないでしょうか?

警察ではこれらの被害に晒される方々に対し、

  • 指導警告
  • パトロール
  • 接近・電話禁止や退去命令(裁判所)
  • 交渉場所としての警察施設の利用提供

の他、さまざまな措置を講じてくれます。

これで100%完璧とは言えないかも知れません、恐怖感をぬぐうまでに至らないかもしれませんが、それでも現状を変えるには最も有効かつ必要不可欠な手段の一つである事は間違いないのです。

コレってDVなの? 被害に遭いやすい人の心理や特徴

DVには泣き寝入りしないで行動を起こしましょう

「愛は傷つけたりしない」

女性の背中に書かれた文字、思わず目に留まりました。

人間は過ちを犯す生き物かもしれませんが、許される行為とそうでない行為があります。

  • 怖いから相談なんて出来ない…
  • 私が悪かったから…
  • 怒ると手が付けられないけれど、普段は優しい人だから…

もしこんなコトを感じて躊躇されているのなら、その考えを改めてください。

暴力を振るわれた後、謝罪・反省、「あなたナシでは生きられない」などと優しくなったとしても、それが一度や二度じゃなければ知らず知らずのうちにあなた自身がそのマインドコントロールにハマる危険も高くなります。

中でも特に ”私に非があるから…”  ”私のコトを想ってしたことだから…”と受け入れてしまうのは、DV被害者に典型例である事を頭に入れておきましょう

「私さえ我慢すれば…」で事態は改善しません。

それどころか暴力行為は繰り返され、中には命を奪いほどにエスカレートするケースもあるのです。

踏み出す一歩が非常に重要なのです。

更に恐ろしいのは、恐怖・自己否定で完全に “王様と奴隷の関係” が構築されて、本人自身にそこから逃げるという意志さえ奪われてしまっているケースです。

もし親しい人にそんな兆候を感じたら、直接介入せずに警察など第三者への報告してあげてください。

DVの駆け込み寺 シェルターで受けられる支援と注意点

もう今の暮らしに耐えられない、一刻も早く逃げ出したいけどどうしていいかわからない。、預金など全てが相手に抑えられて身動きが出来ない。

逃げた先へ追いかけてきて、連れ戻されればもっとヒドイ目に遭わされるのが怖い!

実家や親類・友人を頼りますか?

それも一つの選択肢ではありますが、比較的スムースに関係が絶てる相手なら良いかも知れません。

一方、常軌を逸した相手の場合、分かりやすい場所であればあるほど追いかけてきたり、付きまとうなどのリスクは高まります。

あなた一人だけならまだしも子供と一緒に逃げる場合などは特に配慮が必要となります。

また経済的な不安と無縁であるなら、国内外を問わず加害者の見当がつかない街なら高確率で安全が担保されるでしょうが、預金通帳などおおかたの財産が相手に牛耳られていた場合非常に厳しいですね。

そんな時、頼りになるのが公的DVシェルターなのです。

公営DVシェルターでは無料でおよそ

  • 2週間の避難生活施設として入居および利用が可能(但し子供同伴の場合、施設により最長2年間の滞在が可能)
  • DVシェルター退去後の新居支援(他機関等との連携)
  • 生活保護の受給手続き支援(他機関等との連携)
  • 転居先での就職口の相談やサポート

などが受けられます。

※民間シェルターは有料である反面、滞在期間は調整可能

但しDVシェルターの場所を公に公表してしまうと、いたずらにリスクを高めてしまうこととなります。

被害者を語って情報を盗もうとする人間が居るかもしれませんので、その所在地は目に触れないようになっているのです。

信じられない事ですが過去にはDV被害者をかくまうこのシェルターの所在地を、こともあろうか加害者に漏らしてしまった事件が発生したのです。

それはなんと…大阪府警。

幸い被害者に危険が及ぶには至りませんでしたが、場所を知られてしまったシェルターでは、もう被害者を安全に保護する事は困難です。

取り締まる側の組織がこんなにも緩いなんて….。

意識の低さ以前の失態で、あきれ返るより他ない事件です。

大阪府警のDV情報漏洩で運営休止に…シェルター、移転先求め調停申し立て

※出典:産経WESTより

他にも神奈川県、奈良県、兵庫県などでも、この手の情報漏洩事故が確認されています。

入居可能なシェルターを探そう

DVシェルターを活用しよう

上記項目でも触れましたが、保安上の理由によりシェルターの所在地は公表されておりません。

今現在、DV被害に悩んでおられる場合、すべき事はまず相談する事です。

以下の機関ではこれらの事由に対応した窓口がございますので、まずは連絡する事から始めてください。

  1. 配偶者暴力相談支援センター(※内閣府男女共同参画局 ”配偶者からの暴力被害者支援情報”
  2. 厚生労働省(※“生活保護と福祉一般”
  3. 最寄りの警察署

警察を信用しないワケではありませんが、個人的には①、②の専門機関を頼られるようがその先の対応もスムーズかと考えます。

ご自身と家族の身の安全を第一に、迷わず行動あるのみです!

DV被害者宅の片付け回収 安全に逃げましょう

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