部屋の片付けがイヤでイヤでしょうがなかった
ここから目を通してくださる方、そしてブログをご愛読いただいている皆様、いつもありがとうございます。
現在、部屋を片付けたくとも、様々な理由・原因によって、上手に片付ける事が出来ない方々と共に向き合う毎日を送っております。
これまで依頼・相談を受けた案件は、日常のちょっとした片付けのサポートから、身動きできない程の不要品に囲まれた部屋のそうじ、その他特殊なケースも含めて、おかげさまでゆうに数百件に上るでしょう。
・・と言ってしまうと、さぞかし几帳面で潔癖症で完全無欠のおそうじマシーンなのでは?と思われるかも知れませんが、決して元々掃除や片付けのスキルが高かった訳じゃないんです。
いいえ、むしろ正反対!!
どちらかと言えば苦手、面倒でしょうがない・・・そう100%散らかす側の人間だったのです。
そんな輩が一丁前に人様に対して片付けサポートなど10年早い!!
と思われてもしょうがないのですが、そんな人間だからこそ共有できる悩みや視点があります。
お役立ち情報からおすすめツールまで、いろんな角度でココ ”片付けの殿堂” にて綴っていきますのでチェックしてくださいね。
※以前このコーナー掲載しておりました”片付けられない理由”については、【片付けられない件】のカテゴリーに再分類し、改めて更に掘り下げた内容で改変を進めております。
天国の片付け上手な親依存、地獄の引越し箱詰め作業
片付けられない人にはいろんなパターンがありますが、僕の場合は、
”ずーっとやってもらってたから、自分でうまく片付けられませーん”
というバカ息子の典型例。
実際クライアントのお宅へお邪魔して作業を始めると、会話の中で同じ様なケースに度々出くわしたりするんです。
親が片付け上手過ぎて、子にそのスキルが備わらない
コレも一つの片付けられないあるあるの形なんですよ。
ウチの場合、母親がとにかく几帳面でキレイ好き。
思い返せば理由もないのに部屋の模様替えを頻繁にする様な人でした。
「片付けなさい、いい加減片付けなさい!」
という言葉も虚しく、全く動こうとしない僕を尻目に、結局彼女がちゃっちゃか動いてキレイに整えていってくれる・・・。
今思えば本当にありがたいと思う反面、片付けの教育上においては、あまり評価できたやり方ではありませんでした。
ただ僕にとってそんな平和な日々が突然壊される恐怖の周期がやって来るのです。
転勤の多いサラリーマン世帯に生まれた悲しい性、そう、引越し!!
高校生になるまでほぼ2~3年毎に学校変わってましたから、子供にとっても友達と別れて、強制的に新しい環境へ入れられるプレッシャーがありましたねぇ。
引越し当日から2週間前くらいになると段ボールが山の様に届きます。
家の中は珍しくゴチャゴチャしだしますが、父はいつも通り会社へ、母はさすがに子供部屋の片付けどころではなく、あの”ちゃっちゃかモード”で次々箱詰めを進めて行くのです。
そして子供達に与えられるミッションといくつかの段ボール箱。
自分の部屋のモノは自分でしまいなさい
僕にとっては恐怖の号令。
従順かつ計画的な妹は、順調に業績を伸ばし、着実に箱詰めが進められていくのでした。
一方、僕の方はといえば、幾度の引越しを経験しても変わらない、ある意味安定のルーティーン。
- 部屋の中に段ボールが運ばれる
- 初めの1箱を開けて種類ごとに選別しながら箱詰め開始 → ほどなく中断
- その作業がこの上なく重荷に感じ億劫に・・
- 先延ばし・・
- 引越し前夜、両親からの最上級にプレッシャーと全てを完了した妹からの冷笑を浴びつつ、半ベソのやけくそぐちゃぐちゃ箱詰め
嘘偽りなく、毎度毎度コレでした。
最後の方の段ボールはしっかり蓋が締まらずに、いつもガムテープでグルグル巻いていた様な記憶が・・。
全く学ばないダメ人間ですね。。。
来るか転機?! 親元を離れた後の部屋の片付けスキル
高校を卒業して、相変わらず片付けが好きになれない僕は、大学生活へ突入。
家族と離れて2人1室の寮生活です。
開放感に浸りながら自由を満喫、ルームメイトと一緒に他の友人も呼んで飲み会したり・・やはりバカ学生です。
でも楽しい事だけの生活なんて続かないのです。
だってこのルームメイト、
僕に輪をかけて片付けられない奴
だったのです。
苦痛で仕方なかった整理整頓があるキッカケで才能開花?!
互いのベッドルームに共有スペースであるダイニングキッチンがついた2LDK。
自分の部屋はともかく、「共有スペースは互いにそこそこキレイに保とうね」。
暗黙の了解でスタートした生活でしたが、時間の経過と共に少しずつ荒廃が進んでいくんです。
気付いたら僕の方が溜まったゴミ出ししてたりとかいう展開、あの僕がですよ?!
ある日ルームメイトが見当たらない為、初めてノックしてベッドルームに入ったところ、ドアがなかなか開きません。
重みを感じつつ、腰を入れながら扉を開くと、現れたのはモノだらけの部屋。
窓も締め切られ、”いつの空気よコレ?”という独特の臭気が漂っています。
声をかけるのですが、彼の姿は見えず。
在宅している事はほぼ確定していた為、根気よく探すと見つかりました。
開けた扉の裏と壁のすき間にスッポリと収まる様に、△に丸まって寝ていたのです!!
驚きのため漏れそうになる声を両手で押さえ、抱いた危機感から初めて僕は覚醒するのです。
このままでは2人とも廃人になってしまうぅぅ。
これが自身の記憶に刻まれた、”片付ける人”になる契機です。
ここからの生活、さすがにルームメイトの部屋は彼任せでしたが、リビングは僕が片づけた方が理にかなっているという事でルーティーンになりました。
そこから少しずつ片付けに対する心の壁が低くなった様に思います。
究極のショック療法だったのでしょう。
でも行動に移せたのは、
- いつも部屋をキレイな環境へ保ってくれていた母親
- 幾度もの引越しで追い込まれた箱詰め作業
の影響と経験があればこそだと思っています。
逆に親が片付けられない人のお宅で育った方は、片付けで苦しまれるケースを弊社ではいくつか拝見しています。
両親が片付けられないという人が陥りやすい問題
これまでの相談ケースを振り返ると、両親が
- 捨てられないので、モノが一向に減らない
- 収集癖が強くてなんでも集めて来る
という家庭で幼少期を過ごされたクライアントのお宅に伺う機会があります。
クライアント自身は
- 片付けられない事を受け入れ(割り切り)、サポートを依頼する方
- 片付け下手な親を反面教師に、「ああはなりたくない」という思いの強烈な方
に分かれます。
後者のタイプは稀ですが、父・母両方が片付けられない何らかの問題を抱えており、家の状況を片付ける方向へ働きかける人が居ない家庭で育ってきた来たというケースでした。
一方が手放さず、他方が集める為、家の中は常にモノでパンパン。
四方をモノに囲まれ、満足に身動きも出来ないのが当たり前の環境。
友達の家に遊びにいくと、自分の生活とはまるでかけ離れた快適なスペースである事に衝撃を受けると共に、自分自身の境遇がとても恥ずかしく、誰も呼ぶ事が出来なかったそうです。
そんな環境を憎悪し、一日も早くそんな生活から脱したい彼女は、高校卒業と共に実家を後にします。
「ワタシは決して両親の様にならない」
それだけ彼女の受けたトラウマは深く心に刻まれていたのでしょう。
でもいざ自分で生活を始めてみたら、やはり上手に片づけられない・・・。
どころかモノや不要品でドンドン部屋が埋め尽くされて行ってしまう・・・。
こんな悲しい事はありません。
失意の中、当社にお声がかかりました。
以来、不定期ではございますが、困った時に相談頂いております。
長年、それも両親共に片付けられない人の下で育ってこられたんですから、参考とすべきスタンダードがなくて当然です。
ゆっくりでいいと思います。
正直で真面目、クリエイティブな彼女は、仕事面ではとても充実されている様子で、質の高い仕事が評価されている事を伺わせます。
全部を完璧にしようと思うと、しんどくなります。
不得意な事は任せてみるというのも一つの手段ではないでしょうか?
この他にも、実際に相談を受けなければ知り得ない珍しいケースが山ほどございます。
そしてそれぞれに悩みを抱えているのです。
僕自身、今のサービスを提供する立場に至るまで、ハウスクリーニング、断捨離、ときめき、整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザー等の有名どころをはじめ、色んな片付けハウツー本を読み漁り、様々な資格を取得したり・・等々、紆余曲折ございました。
これらの苦手な片付けを克服するアイデアの数々は、いずれも非常に優れた改善・解決法です。
しかしながら一人一人が抱える片付けの悩みに対して、全て丸く収まる完全無欠な方法には成り得ない事がほとんどです。
突き詰めれば一つとして同じ形のない悩みに対して、オーダーメイドで対応していく他ないというのが正直な感想です。
でもそれが一般的な範疇(どこを一般的とするかの線引きが微妙ですが・・)であれば、多くの皆さんと共有できる情報があると考えます。
このコーナーでは、そんな情報をいろんな切り口で不定期に更新・公開していきますので、ちょいちょいお立ち寄りくださいませ。